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術後合併症予防のため新規に投与するβ遮断薬の開始時期 [抄読会]

Timing of pre-operative Beta-blocker treatment in vascular surgery patients: influence on post-operative outcome.

【目的】
 周術期合併症を予防するため,術前に新規に投与するβ遮断薬療法の最適な開始時期について検討する.

【方法】
 血管手術患者940例を対象とした.β遮断薬の投与開始時期によって術前0-1週間の開始,1-4週間の開始,4週間以上前の開始の3群に分類した.心筋梗塞は,術前・術後のトロポニンT値と,心電図によって評価を行った.エンドポイントは,術後30日以内の心筋梗塞発症と心臓死,および長期死亡率からなる複合割合とした.

【結果】
 β遮断薬の投与開始時期は,術前0-1週間が158例(17%),1-4週間が393例(42%),4週間以上前の開始が389例(41%)であった.術後30日以内の心血管イベントの発生率は,術前1週間以内にβ遮断薬の投与を開始した患者において,それ1週間以上前よりに投与を開始した患者よりも有意に高かった(27% vs 15%).術後30日以内の心血管イベント発生率は,術前1週間以内にβ遮断薬の投与を開始した患者よりも,1~4週間(OR:0.46,95%CI:0.27-0.76),または4週間よりも前に投与を開始した患者(OR:0.48,95%CI:0.29-0.79)において低かった.長期死亡率に関しても,術前1-4週間(HR:0.52,95%CI:0.21-0.67)または4週間よりも前(HR:0.50,95%CI:0.25-0.71)にβ遮断薬の投与を開始した患者において同様に低かった.

【結論】
 術前1週間以上前に予防的β遮断薬治療を開始することによってβ遮断薬による副作用を回避できる可能性がある.

【解説】
 術前にβ遮断薬を服用している症例では,周術期も服用の継続がガイドラインでも推奨されている.一方,POISE trial以降,術前新規に開始するβ遮断薬に関しては見直しされている.特に高容量(POISE trialではmetoprolol 200mg)かつ決めうちで投与することに関しては否定され,心拍数と血圧モニターしながら投与量を決定していくことが推奨されている.本試験もそのことを追認するものであり,予防的投与を新規に始める際には1週間以上前から開始し投与量を滴定していくことを推奨している.

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